SHOEI NEWS2025年 10月号 Vol.307
CONTENTS
商況案内
USクルミ 市況
~ 2025年産 最終予想数量発表 ~


カリフォルニア現地時間の9月4日に、アメリカ農務省統計局(以下NASS)より2025年産USクルミの最終収穫予想数量が発表されました。同レポートによると、2025年産の最終予想数量は710,000ショートトン(以下st)で、前年の収穫量(603,000st)と比べ増産予想となりました(前年比117.7%)。
最終予想数量は、NASSが7月22日~8月22日の間に、756ブロックの農園より、ブロックあたり2本ずつの木からサンプリングを行い 算出したものとなります。算出根拠となる収穫可能面積は365,000エーカーで、単収の良い品種への植え替えや、他の作物への転作の為に木を伐採したこと等により、昨年に比べ5,000エーカー減少しております。一方で、クルミの木一本あたりの平均結実数は972粒(前年比127.7%)と大幅に増加しました。前年は、2023年産が過去最大の豊作であったことや暖冬の影響で木が疲弊していましたが、今年は冬季の休息期間中に降雨があったため、木の状態が回復し、結実数が増加しました。また、主要品種における平均結実数は、カリフォルニア州で栽培されるクルミの半分以上を占める、チャンドラー種(前年比133.1%)やチュラーレ種(前年比136.5%)にて大きく増加しており、地域別では、最大の収穫可能面積を誇るSan Joaquin(サンホアキン)地区にて前年比148.4%となっております。
昨年は、7月上旬に熱波に見舞われたことで、色調の暗いクルミの比率が高くなる等、品質面への影響が見られましたが、2025年産においては、現在のところ順調に生育していることから、昨年に比べ品質は改善されるものと思われます。
トルコ レーズン 市況
~ 2025年度産は霜害の影響で減産傾向 ~


4月上旬に発生したトルコ全域での霜害は、ブドウの生育にも一定の影響を及ぼしました。主要産地であるマニサ県でも一部地域で被害が確認され、収穫量の減少が見込まれています。現地レーズン業界内の収穫予想は185,000MT程度とされており、これは前年収穫量の約80%に相当します。一方、25,000MT程度と見込まれている繰越在庫を含めると総供給量は210,000MT程度となり、2026年産 収穫までの供給は維持可能との見方が示されています。
また、乾燥期に好天が続いたことから短期間で乾燥を終えた為、明るい色のType11~9の出来高割合が多く、色が暗いType8~7の割合は低くなる見込みです。トンプソンレーズンについては価格高騰と需要低迷の折から、従来供給量(トルコレーズン全体供給量の1割程度)を割り込む見込みです。9月下旬時点の現地オファー価格は2024年産のオープニング価格をやや下回る水準で推移しております。しかし、総供給量は依然、例年と比較して少ないこと、また、TMO(トルコ穀物公社)による農家保護を目的とした原料 買上げが開始したことから、今後徐々に価格上昇となる可能性が否めない状況です。
中国 洋梨 市況


今年は4月の開花時期に産地で気温が急激に低下し、一部地域では降雪もあったため、当初は約15%の減産が見込まれていました。しかし、収穫が終了した現時点では減産幅は約10%にとどまりました。作柄については、干ばつにより降雨が少なかった影響で例年より小玉傾向となったものの、品質は総じて昨年同様に良好です。
コスト面では、減産により原料価格が前年比でやや上昇した一方、人件費やエネルギーコストは横ばい、砂糖や酸味料などの副原材料費や缶などの包材費は落ち着いております。
洋梨缶詰の需要動向としては、国内外ともに需要が低調で引合は強くありません。今季クロップの現地価格は、原料価格の値上がりはあるものの為替が昨年同期比で円高基調にあるため、実質的に値下がりする見込みです。
~弊社取扱い製品~
◆洋梨(ハーフ)2号缶
原材料名:洋なし、砂糖/酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)
荷 姿:1号缶×6、2号缶×12
保存方法:常温
賞味期限:3年
北米 ブルーベリー 市況


~北米産 ワイルドブルーベリー~
ワイルド種は、カナダのノバスコスア州、ニューブランズウィック州、プリンス・エドワード・アイランド州、ニューファンドランド・ラブラドール州(以下、アトランティックカナダ)、ケベック州及びアメリカのメイン州で生育し、9月中・下旬までに全域の収穫が終了します。
アトランティックカナダにおいては、7月に例年にない乾燥した気候となり、8月初旬には収穫開始と同時に厳しい熱波にも見舞われました。この異常気象により、果実は極端に小さいまま成熟してしまい、商業ベースの収穫量は大幅に減産となる見通しです。
また、ケベック州ではアトランティックカナダで発生した様な収穫前の乾燥は発生していませんが、5月~6月の受粉期間において一部エリアで霜害が発生した影響により、結実数の減少となり、例年より収穫量は微減となる見通しです。
更に、ワイルドブルーベリーに類似したEU原産のビルベリーおいても、今年の収穫量は減少との見込みであることから、代替品として北米産ワイルドブルーベリーへの需要が高まっています。
北米産の総収穫量は当初見込まれていた2億9,000万ポンドから2億ポンドに下方修正され、2025年産の現地価格は大幅に上昇することが確実視されています。
~北米産 カルチベートブルーベリー~
アメリカのオレゴン州、ワシントン州、ジョージア州、ミシガン州などワイルド種に比べ広域で栽培されるカルチベート種は、6月~8月にかけて収穫されます。ワシントン州では、収穫時期は天候に恵まれ、品質は良好、収穫量は例年並みの見込みである一方で、ジョージア州では2024年に発生したハリケーンによる農園被害が依然として残っている他、ミシガン州の一部エリアで干ばつが発生し、春先の受粉も理想的な状況にはならなかったと評価されています。最終的なカルチベートブルーベリーの収穫量や在庫ポジションに関する情報は11月頃にはリリースされる予定ですが、アメリカの全域の収穫量は、昨年に対し減産となる見通しです。
カルチベートブルーベリーは、全収穫量のうち半分以上が生鮮市場に流通しますが、今夏は生鮮需要が非常に強く、現時点では冷凍市場(IQF・ドライ原料他)への供給量は10~15%減少すると予測されています。その為、加工用として使用・販売されるIQFカルチベートブルーベリーの本年への繰越在庫減小と、世界各国からの旺盛な需要から、現地価格は上昇しつづけており、現時点では昨年比で20%上昇している状況です。
地中海沿岸 オリーブオイル 市況


世界のオリーブの主要な栽培国は、スペイン、イタリア、ギリシャ、トルコ、モロッコをはじめとする地中海沿岸諸国です。北半球では5月頃に開花し、収穫は11月から翌年2月にかけて行われます。
2025/26年産に関しては、スペインにおいて冬季から春季にかけて降雨量が多く、気象条件に恵まれた結果、開花および結実は極めて良好に推移しています。これにより、生産環境は総じて良好なスタートを切ったと評価されます。
一方で、6月以降はスペイン、イタリア、ギリシャといった欧州主要生産地域、ならびにモロッコやチュニジアといった北アフリカの生産地域において、熱波による異常高温が発生し、平年を上回る暑さが継続しています。オリーブは高温耐性を有するものの、限界を超える気温下では果実を落下させて水分を調整する性質を持つため、今後暑さが継続すると収穫に影響を及ぼす可能性があります。
現時点では、開花・結実状況が例年以上に良好であることから、2024/25年産と比較して生産量は増加する見通しです。ただし、11月以降の収穫期までの気候条件次第で変動の余地が残されており、引き続き注視が必要です。
~弊社取扱い製品~
◆BASSO エキストラバージンオリーブオイル PET 1L
◆BASSO ピュアオリーブオイル PET 1L
原材料名:食用オリーブオイル
原産国名:イタリア
荷 姿:916g
保存方法:常温
賞味期限:2年
※詳しくは弊社営業までお問い合わせください。
セルビア ラズベリー 市況


弊社はフランスSTIBO社の販売代理店として、セルビア産の冷凍フルーツを輸入販売しております。STIBO社では農家と協力し合いながら、自社にて栽培指導、管理を行なうことで、原料からこだわった高品質なフルーツを提供しております。
~ラズベリー(ウィラメット種、ミーカー種)~
今年のシーズンも昨年に引き続き、6月からの高温と水不足の影響を受け、今期のラズベリーは過去50年を遡っても例をみないほどの減産となり、例年の25%以下の収穫量となりました。しかしながら、STIBO社に関しては、冷凍加工、選別を行っているメイン工場とは別に高山地帯に第二工場を保有しており、より高温の影響を受けづらい高山地帯にて収穫された原料をすぐに冷凍加工ができるため、品質、供給量ともに問題はございません。なお、セルビア産ラズベリーの減産に伴い原料価格は高騰し、品種(ウィラメット種、ミーカー種)や、ホール、クランブル規格により値上げ幅は異なりますが、オファー価格は昨年の40-80%アップでの値上がりとなりました。
カリフォルニアプルーン 市況&収穫レポート


弊社のプルーン農園の今季の収穫は、8月15日(金)から8月23日(土)までの9日間で終了いたしました。昨年は高温の影響で糖度が上がらず収穫が遅れましたが、今年は昨年に対して6日早い開始となりました。
今年の弊社農園のプルーンは、昨年発生した高温・熱波の影響はなく、個々の果実は総収穫量は例年と比較して減産でありましたが、大粒傾向でありました。
一方、カリフォルニア州全域では開花のタイミングにばらつきが生じ、果実の成長度合いの差異が出たことから落果も多く発生し、前年比25%程度の減産見込みとの情報が入っております。
8/26(火)時点のサンスウィート社情報によると、2025年カリフォルニア産予想収穫量は60,000メトリックトン(以下、MT)で、2024年産の70,000MTに対し10,000MT減(▲14%)とされています。
加えて、人件費や燃料費・資材費などの各種現地生産コストの上昇と、カリフォルニア州の複数の群では水道の維持管理費の上昇による水道料金の大幅な改定も実施されていることから、2025年産の現地相場は上昇する可能性が高いと予想されています。
商品案内
アルゴドンスペシャル カリフォルニアプルーンのご案内


この度、ご好評を頂いております「アルゴドンスペシャル カリフォルニアプルーン」の弊社独自製法はそのままに、パッケージデザインを一新いたしました。さらに保存に便利なチャック付きの袋にリニューアル。いつでも手軽においしいプルーンをお楽しみいただけます。
今年のプルーンは、生育に適した天候に恵まれ、自然な甘さと心地よい酸味が調和した、上質な味わいに仕上がっております。
◆アルゴドンスペシャル カリフォルニアプルーン
内 容 量:400g
荷 姿:20袋入り/ケース
保存方法:常温
賞味期限:製造後12ヶ月
原産国名:アメリカ
区 分:種つき
~アルゴドンスペシャル カリフォルニアプルーンとは~
カリフォルニアの弊社及び契約プルーン農園で、プルーンの中でも完熟した大粒だけを1粒1粒選りすぐり、
独自の製法で、今までにない、よりフレッシュ感のあるプルーンを真心こめて作り上げました。
収穫から加工まで全ての過程において、こだわりぬいた最高級のプルーンをぜひお楽しみください。
正栄だより
SICOLY®冷凍アンセール 使用レシピのご案内
冷凍アンセール フリュイ・ルージュ


~フローズンショートケーキ~
◆材料
〈ジェノワーズ〉
卵黄 145g
全卵 155g
グラニュー糖 125g
薄力粉 125g
咲味油 40g
〈シャンティー〉
生クリーム42% 500g
グラニュー糖 500g
トレハロース 40g
〈仕上げ〉
冷凍アンセール フリュイ・ルージュ 適量
正栄粉糖 適量
◆作り方
〈ジェノワーズ〉
①卵黄、全卵、グラニュー糖を温めながら混ぜ立てる。
②篩った薄力粉を加え混ぜ、最後に咲味油を混ぜ合わせる。
③型に流し170℃で35分焼成する。
〈シャンティー〉
すべて混ぜ合わせ泡立てる。
〈仕上げ〉
写真の通りに組み立て、仕上げに粉糖をふる。
※冷凍アンセール フリュイ・ルージュは適当な幅にカットして使用する。
~使用製品ご案内~
◆冷凍アンセール フリュイ・ルージュ
荷 姿 : 8.8kg(2.2kg×4)
賞味期限 : 2年
保存方法 : 冷凍(-18℃以下)
国内お取引先のご案内
鈴木食品製造株式会社だより


山形県の中央部に位置する村山地方は、果樹の主産地です。
弊社鈴木食品製造株式会社は村山地方の寒河江市(さがえし)に本社工場があり、主産地が近く様々な原料の調達がしやすい立地にあります。果実プレザーブなどの固形製品と果汁・ピューレー製品を作るラインがあり、需要に併せた生産を行なっています。
近年、農業生産を取り巻く環境は悪化傾向にあります。高齢化による離農や天候不順による生育障害で出荷量は年々減少していますが、桃は令和に入り微増ながら持ち直している状況です。
本年度の果樹は4月の開花以降、高温と渇水により既にさくらんぼが大幅に減産しております。また冷凍草餅の原料となるよもぎも、渇水により収穫量が減っております。
8月現在、白桃缶詰の生産を行なっておりますが、渇水による生育の遅れから8月上旬までの原料入荷は前年度の半数以下となっています。8月5日頃からまとまった降雨があったため、今後の果実の生育に期待しています。
ラ・フランスおよびりんごの生育状況につきましては、随時ご報告いたします。
天候不順により、原料果実の調達は年々困難になっていますが、自社農園の整備や効率的な生産設備により少しでも加工果実の供給を増やせるよう努めてまいります。国産果実に関する最新の詳しい情報につきましては、弊社営業までお問い合わせください。
山形県では本年度「やまがたフルーツ150周年事業」を行なっています。
1875年(明治8年)に明治政府からさくらんぼや西洋なしなどの果樹の苗木が配付され、山形県庁の敷地に植えられました。2025年(令和7年)にはそれから150周年の節目の年を迎えます。この記念すべき年を「やまがたフルーツ150周年」として、実直にくだものづくりに打ち込んだ先人たちの挑戦の歴史を振り返るとともに、その思いを未来に向けて受け継ぎ、やまがたフルーツの魅力を皆さんにお届けします。