SHOEI NEWS2023年 10月号 Vol.284
CONTENTS
商況案内
国内乳製品市況
農林水産省によりますと7月の生乳生産量は全国で前年比95.5%となり12ヶ月連続の前年割れとなりました。
地域別で見ると、北海道では前年比約96.4%、都府県では前年比94.3%となりました。
国内乳製品在庫減少の為、の政府および酪農団体による減産への協力呼びかけ、生産コスト高で苦しんでいた一部酪農家の離農が主な原因となっています。
7月は猛暑も重なり特に減産幅が広がっています。8月と9月も猛暑の影響で生乳生産量は減産幅が大きくなると予想されています。
7月末の推定在庫量はバターで約29,100トン(前年比71.0%)、脱脂粉乳は約66,900トン(前年比67.0%)となっています。
バターは適正水準(25,000トン~30,000トン目安)の範囲内となっていますが、需要が旺盛である事と生乳生産量減少により一気に需給が引き締まり不足感が出ており、既に出ている供給カットからもう一段の供給制限が入り始めています。
一方で脱脂粉乳は在庫減少が進んでいるものの2022年度の在庫削減策の効果が主な要因となっており、再び在庫水準は上がっていくと予想されています。
農林水産省公表の大口需要者価格は4月の乳価改定を反映して値上がりしており、バターは\1,400/kg(税抜き、前年比110%)、脱脂粉乳は\722/kg(同116%)となっています。
飲用乳価が8月から\10/kgの値上げとなった事で牛乳価格が上昇し、昨年の飲用乳価改定による値上げの影響で減った牛乳需要が更に減少しています。
ただそれ以上に生乳生産量が減少している事から加工向けの生乳が減少しており加工乳製品は需給が逼迫しています。
また、12月からクリーム・バターの乳価も\6/kgの値上げが決定しました。
現在のエネルギーコスト等のコストアップも相まって生乳換算係数以上の値上げとなります。
詳細につきましては弊社営業担当者よりご案内いたします。
直近のALIC入札の結果は以下の通りになります。
国産バター不足との観測から競争も激しくなっており、今後大手乳業メーカーが参入するか注視されています。
今後の日程としては以下の通りになります。※SBS《simultaneous buy and sell》
10月12日 800トン 通常SBS
11月16日 800トン 通常SBS
12月14日 800トン 通常SBS
海外乳製品市況
海外乳製品相場は欧州で粉乳は緩やかな下落基調が続いていますがバターが反転を若干見せ、NZは反転基調に転じました。
背景としては主要国の生乳生産量が緩やかな増産基調から横這いに転じ始めた事です。
生産量の多い欧州は1%~2%の増産が6月に0%に転じ、米国もプラス圏を保っていましたが7月に一年ぶりに減産となりました。
一方で需要側では中国含め多くの国では大きな動きが未だ見られません。
製品別にみた場合、バターはNZはFOB US$4,720/mt近辺となっています。
欧州はFOB US$4,860/mtと緩やかな上昇を見せています。ピークである年末需要が増え始めた事が 要因と見られています。
全脂粉乳と脱脂粉乳はNZと欧州ともに小幅な範囲で上下を繰り返していましたがNZは反転しました。
一方で欧州は落ち着いた動きとなっています。
NZ産全脂粉乳はFOB US$2,800/mt近辺、脱脂粉乳はFOB US$2,400/mt近辺、欧州産全脂粉乳はFOB US$3,630/mt近辺、脱脂粉乳はFOB US$2,410/mt近辺となっています。
世界的な生乳生産量は今後も下落あるいは横這い傾向となり、乳製品相場は需給の引き締まりで横這いあるいは上昇する可能性が高まっています。
昨年3月の中国のロックダウン以降、乳製品相場は下落基調を辿ってきましたがそれに合わせて乳価も下がり、酪農家の生産意欲が減退し始めた事と採算が厳しくなっている事が生産量減につながっています。
需要側では前述の通り特段動きが見られませんが供給側の制約により需給が引き締まりこれ以上の大きな下落はないとの見方が強まっています。
2023年産USクルミ最終予想数量発表
最終収穫予想が790,000ショートトンと発表
カリフォルニア現地時間の9月1日に、2023年産USクルミの最終収穫予想が790,000ショートトン(以下ST)と発表されました。
これは、前年の収穫量(752,000ST※1)から増産予想(前年比105.1%)となっており、過去最大の収穫量予想となっています。
最終収穫予想は、米国農業統計局が7月22日~8月25日の間に、675ブロックの農園より、ブロックあたり2本ずつの木からサンプリングを行ない算出したものとなり、算出の根拠となる収穫可能面積は385,000エーカーと、昨年に比べ15,000エーカー減少しています。
これは相場の値下がりによって農家に転作の動きが進んでおり、2022年10月~2023年6月の間に約23,000エーカー分のクルミの木を伐採した事も影響しています。
一方で、今期は春先の降雨や山間部の積雪からくる雪解け水によって貯水率も前年より大幅に改善されたほか、冬場、春先の気候もクルミの生育にとって良好であり、熱波の影響により色が暗めであった2022年産と比べると品質も良好になるものと予想されています。
尚、2022年産の繰り越し在庫は、100,000ST~120,000ST程度の見込みで、総供給量としては、890,000~910,000ST程度(前年比100.0%~102.3%)になるものと予想されています。
※1:アメリカ農務省発表の2021年産USクルミの収穫量。
尚、カリフォルニアクルミ協会発表の収穫量は747,870ST。
2022年産については総供給量が過去最大になった事に加え、各国2021年産からの在庫を多く抱えた為、当初成約が進まず現地相場は下落していましたが、3月に米国農務省(USDA)が国内向けに9,000万ドル分の剥実を買い上げた事や、各国の在庫消化が進んだ事により出荷は回復し、7月末時点での累計出荷量は前年比111.6%と増加いたしました。
出荷量は増加傾向にあるものの、2022年産の繰越在庫を含めた総供給量を考えると現時点で供給のタイト感はない状態とはなっていますが、アメリカに次ぐ主要生産国であるチリ産が出荷好調で、一部パッカーでは10月までに完売するのではないかとの見方がある事から、相場の見通しが見えにくい状態となっています。
2023年セルビア産ストロベリー、ラズベリー市況
弊社はフランスSTIBO社の販売代理店として、セルビア産の冷凍フルーツを輸入販売しております。
STIBO社では農家と協力し合いながら、自社にて栽培指導、管理を行なうことで、原料からこだわった高品質なフルーツを提供しています。
【セルビアの天候】
通常であれば4月より気温が上がりますが、今年は4月上旬まで雪が残り、非常に寒かったとの事です。
その後も天候は悪く、4月中旬以降は長期的な雨に見舞われました。
アプリコット、チェリー、クエッチェ(すもも)については4月が開花時期に当たりますが、この寒さの影響で、大きなダメージを受け、30%程減産の予想となっています。
全体的なフルーツの収穫時期も今年は遅れる事となりました。
●ストロベリー(センガセンガナ種):収穫期間(平均):5月下旬~6月中旬
今年は5月4週目から収穫が開始されましたが、6月に入ってからも天候は回復せず、降雨が続きました。
収穫は4週間ほど続きましたが、この降雨の影響で糖度が上がらず、またサイズも小さく、残念ながらSTIBO社からは、今年はヨーロッパ向け、日本向けの品質の良い原料は、供給が難しいとの連絡を受けています。
●ラズベリー(ウィラメット種、ミーカー種):収穫期間(平均): 6月中旬~8月上旬
ストロベリーとは反対に、春の降雨は、ラズベリーの葉と若い果実の発育に良い影響を与えました。
今年は6月中旬頃から収穫が開始され、初週は大雨に見舞われましたが、その後の日照と気温が平年並みであったため、果実の成熟が進み、2023年のラズベリーの収穫は、色、風味、糖度、形、全てにおいて、素晴らしいものとなりました。
ここ最近、生鮮向けのラズベリーの価格が非常に高かったため、多くの生産者はラズベリーの作付面積を拡大しましたが、2023年の収穫では、供給が需要を上回った為、生鮮向けの価格は下落しました。
生産者はこの価格に非常に不満を抱いており、次のシーズンに向けては作付けを減らすという逆のプロセスを始めているとの事です。
尚、輸入価格につきましては、円安の影響を受けている事から、詳細につきましては、別途営業担当者よりご案内申し上げます。
2023年産新物トルコレーズン市況
2023年クロップのレーズン収穫量は大幅な減産予想
2023年産トルコレーズンは6月~7月にかけて断続的な降雨があった事により減産予想でしたが、当初の予想よりも病気が蔓延し、2023年産の収穫予想は約20万mt(前年比約60%)と見積もる現地サプライヤーもおり、業界全体では大幅な減産予想を立てています。
また、乾燥期間が長引いた事から、レーズンの仕上がりについても量や質ともに昨年を下回る予想です。
トルコでは近々に統一地方選挙が行なわれる事から、農家への人気取りの一環として与党陣営の指示によるTMO(トルコ穀物公社)の高値買付が加速すると言った予想もあり、市場価格高騰のもう一つの要因となっています。
現状、前年同月オファー価格に対し大幅に高騰しており、乾燥・収穫がひと段落する10月中旬頃まで現地動向・価格情報に注視する必要があります。
商品案内
大東カカオ株式会社より 新製品のご案内
■アンセム ピュアエクアドル
ANTHEM PURE ECUADOR
賞味期限 540日
荷 姿 1kg×5、 5kg×2
カカオ分 65%
規 格 チョコレート
香料不使用
サステナブルカカオ原料使用
相性の良い素材
和素材、紅茶、ハーブ、アプリコット 等
製品特長
最高品質のエクアドル ハシエンダビクトリア(ビクトリア農園)アリバ種カカオ豆を使用しております(カカオマス中)。
アリバ種はカカオの中でも原生種に近いとされ、希少価値の高いエクアドル固有の品種です。また、作業性の良い粘度となっているのも特長です。
本製品では、カカオ豆本来の味を感じられるよう香料は使用しておりません。
焙煎特長
アリバ種の繊細で華やかな風味を壊さぬよう温度帯と時間を細かく管理しました。
風味特長
トップからミドルにかけて程よい甘味とともにエレガントで華やかな香りが広がっていきます。
そしてミドルからラストにかけて繊細な酸味と調和のとれたカカオの風味による優雅な香りを楽しんでいただけます。
ピュアエクアドル使用(レシピ有) ショコラ アブリコ、テリーヌ エクアドル
■アンセム ピュアドミニカ共和国
ANTHEM PURE DOMINICAN Rep.
賞味期限 540日
荷 姿 1kg×5、 5kg×2
カカオ分 65%
規 格 チョコレート
香料不使用
サステナブルカカオ原料使用
相性の良い素材
エキゾチックフルーツ、洋酒、カシス 等
製品特長
ドミニカ共和国より当社が指定した発酵・乾燥条件のオリジナルのカカオ豆を調達し、使用しております(カカオマス中)。
更に砂糖は昔ながらの鉄釜で炊き上げられたブラウンシュガーを使用(砂糖中70%)。
作業性の良い粘度となっているのも特長です。本製品ではカカオ豆本来の味を感じられるよう香料は使用しておりません。
焙煎特長
カカオ豆の特長である濃厚で深い味わいが際立つよう従来よりも浅煎りで焙煎しています。
風味特長
コクのある甘みと豊かなカカオ感から始まり、ミドルにかけて力強くもスッキリとしたレーズン調の酸味が広がります。
そしてラストにむけて重厚なカカオの風味がひろがり心地よい余韻が残ります。
ピュアドミニカ共和国使用(レシピ有) ブルゴーニュ、ケーク バキュース
各製品のカカオマスに使用するカカオ豆は単一の産地より収穫しております。
産地ごとの風味を最大限に引き出しているため、カカオ豆の収穫時期毎に変化する風味をお楽しみいただけます。
甲辰(きのえたつ)干支チョコレート
年末年始のご挨拶の品として
行く年に限りなき感謝をこめ、
来る年に一層の幸せを願って…
令和六年の干支は「甲辰」です。
辰は十二支の五番目。
年、月、日、時刻、方位などに当てます。
辰年生まれの人は裏表がなくマイペースで、豊かな感性があると言われています。
とても行動力があり、積極的な性格です。
今年も精進して作り上げた甲辰干支チョコレートを皆様にお奨めいたします。
パッケージサイズ : 150×97×13(mm)
1 箱 :5g×10個入り
1ケース :20箱入り
※1ケースに20枚の「のし紙」が封入されています。
正栄だより
「2023ジャパン・ケーキショー東京」 開催のご案内
一般社団法人日本洋菓子協会連合会、公益社団法人東京都洋菓子協会主催のジャパン・ケーキショー東京が、10月30日(月)~11月1日(水)に東京都立産業貿易センター浜松町館で行なわれます。
日 時:10月30日(月)~11月1日(水) 10時~16時 (ただし最終日は15時まで)
会 場:東京都立産業貿易センター 浜松町館 2階・3階・4階
弊社は協賛メーカーとして、ナッツ・フルーツ加工品を始め、製菓材料各種、乳製品をご案内させていただきます。
会場の2階入り口をお入りいただき、右手正面に正栄ブース(小間番号41番)を2コマにて出展しております。
皆様のご来場をお待ちしております。
SHOEI RECIPE 正栄レシピ
弊社製品をふんだんに使用したレシピをご紹介いたします。
■マロンパウンドケーキ
イタリア産のマロンペーストを使用したパウンド生地に、マロングラッセをたっぷりと練り込みました。
材料(スリムパウンド型10本分)
マロンペーストアマーロ1,200g
フォンテラ無塩バター 800g
A 塩 12g
A グラニュー糖 320g
A ブラウンシュガー 320g
全卵 880g
薄力粉 480g
ベーキングパウダー 12g
B ブランデー 100g
B マロングラッセダイスカット6.4㎜ 500g
ブランデー(表面に塗る用) 適量
①Bを合わせておく。
②マロンペーストをミキサーでほぐす。
③柔らかくしたバターを少しずつ②に合わせ、馴染んだらふるったAを加えて混ぜ合わせる。
④溶きほぐした全卵を人肌に温め、少しずつ③に加える。
⑤薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい、④に加える。
⑥Bを混ぜ合わせて、型に充填し170℃40分ほど焼成する。
⑦焼きあがったら表面にブランデーを塗る。
■スフォリアテッラ
イタリアのパイであるスフォリアテッラをベーカリー向けにアレンジし、中にクリームチーズとアップルフィリングを包みました。
材料BP(ベーカーズパーセント)
強力粉 65
薄力粉 35
冷水 40
フォンテラ無塩バター10
塩 1.6
シートマーガリン 25
【1ケ当たり】
生地 50g
サウスケープ クリームチーズ 20g
アップルフィリング 20g
①混 捏 低速3分、中速1分 捏上温 22℃
②フロアタイム 30分後5℃で一晩 おく。
③分 割 1,800g
④折 込 4×4
⑤成 形 10mm厚 30cm幅出し、表面に霧吹き巻く。6cmの筒状にして一晩寝かせる。1cm幅(50g)にカット麺棒で楕円にのし、サウスケープクリームチーズ20g、アップルフィリング20g包み閉じる。
⑦焼 成 コンベクションオーブンで200℃ 30分(冷凍のまま焼成可能)、冷めたら粉糖で飾る。