SHOEI NEWS2023年 12月号 Vol.286

CONTENTS

商況案内

国内乳製品市況

画像クリックで拡大します

農林水産省によりますと9月の生乳生産量は全国で前年比94.6%となり1年以上前年割れが続いています。
地域別で見ると、北海道では前年比約95.3%、都府県では前年比93.6%となりました。
バター、脱脂粉乳の過剰在庫へ対応する為の政府対策と、夏場の猛暑も相まって、生乳生産減少に拍車をかける形となりました。
9月末の推定在庫量はバターで約26,000トン(前年比66.6%)、脱脂粉乳で約59,000トン(前年比63.6%)となっています。
また9月のバター製造量は3,000トン(前年比70.5%)と、脱脂粉乳製造量は7,942トン(前年比78.3%)と大幅に減少している事からも、バターの適正在庫水準(25,000トン~30,000トン目安)を下回りそうな状態です。
加えて需要面では、特にバターに関して最需要期である年末を控え、引き合いが非常に強い事が在庫減少を加速させる要因となっています。
農林水産省が公表する大口需要者価格はバター ¥1,409/kg(税抜、前年比111.0%)、全粉乳 ¥984/kg(同110.6%)脱脂粉乳¥725/kg(同111.4%)でした。
12月よりバター、クリーム向け乳価改定により、バターの大口需要者価格は¥1,500を超える事が想定されています。
直近のALIC入札の結果は以下の通りになります。
引き続き倍率は高く、300円を超えるマークアップとなりました。
国産バター不足や国産乳価改定による国産バターの価格上昇により、競争も激しくなっており、今後大手乳業メーカーが参入するか注視されています。

今後の日程としては以下の通りになります。※SBS《simultaneous buy and sell》
12月14日 800トン 通常SBS

海外乳製品市況

画像クリックで拡大します

海外乳製品相場は地域やアイテムによってばらつきがあり、まだら模様となっています。
中国からの需要は未だそれほど強くはないものの、アイテムによって需要が偏っている事が一因です。
主要国の生乳生産量は、欧州では季節柄の減産はあるものの、2023年度全体としては前年比0.5%と微増となっています。
米国は7月以降4ヶ月連続で前値割れを記録していますが、年間を通じては0.6%と僅かなプラスです。
NZでは、6月からの累計で約1%の減少となっており、一方で豪州では7月からの累計で前年比0.7%の微増となっています。
製品別にみた場合、NZバターはFOB US$4,930/mt近辺となっています。また欧州産バターはFOB US$5,450/mt付近と、ここ2ヶ月連続で約6%ずつ上昇をしています。

季節柄の生乳生産の減少と、それによる乳脂肪のタイト感や、徐々に回復する欧州域内の需要により価格上昇を招いていると思料します。
全脂粉乳と脱脂粉乳は、NZと欧州では何れも上昇基調ではあるものの、NZでは歴史的に見ると、依然としてどちらのアイテムも比較的低水準にとどまっています。
NZ産全脂粉乳はFOB US$3,030/mt近辺、NZ脱脂粉乳はFOB US$2,620/mt近辺、欧州産全脂粉乳はFOB US$3,960/mt近辺、欧州産脱脂粉乳はFOB US$2,860/mt近辺となっています。
中国国内の生乳生産はここ数年での伸びが著しく、個人消費が国内産の乳製品に集中している事から、海外品への需要は限定的です。
同国の経済の動向や同国内の在庫次第ではあるものの、概ね2024年後半からの海外産への需要回帰を予想しており、それまでは特にオセアニアの乳製品の値動きは上昇基調ではあるものの、比較的緩やかであると予想します。

2023年産韓国栗市況

画像クリックで拡大します

① 作柄について
2023年産韓国栗つきましては、収穫前は毬の数から平年作と予想されましたが、5月~6月の低温の影響及び7月~8月の猛暑障害により、平年作に対し3割程度の減産となった模様です。
また、生産者の高齢化、後継者不足、拾い手が足りない等の事情により、地域によっては8割~9割減産となった地域も出ているとの情報もあり、昨年続き2年続きの大凶作となっています。

② 原料代、皮むき加工賃等
原料減産による原料代の上昇に加え、世界的なインフレによる韓国と中国の人件費や燃料費等の諸費用も上昇しています。

③ 為替変動(大幅円安)
昨年輸入時の平均為替約145円に対して、今現在150円前後に推移しており、今後の先行きも不透明です。

④ 日本国内の製造諸経費
円安と世界情勢の影響を受け、砂糖、缶、光熱費等の価格も上昇しています。

2023年産中国栗市況

画像クリックで拡大します

2023年産中国丹東エリアの栗は気候に恵まれ、2年ぶりの豊作となりました。
原料相場は下がっていますが、現地人件費アップに加え、昨年に続き砂糖代、資材、輸送コスト等経費の上昇、大幅な円安の影響により、現行価格を維持することが困難となりました。

諸般の事情より2023年産韓国栗甘露煮と中国栗甘露煮につきまして、弊社を含め、各栗業者の企業努力だけでコストアップ分を吸収しきれないため、市場価格は昨年に続き更なる値上げになると予想されます。

2023年産カリフォルニアプルーン収穫・産地農園レポート

画像クリックで拡大します

今年の弊社農園のプルーン収穫期間は計12日間で、8月31日から開始し9月12日に終了いたしました。
本年はカリフォルニア州他地域同様、気候の影響から糖度上昇が遅く、昨年より16日遅い収穫開始となりました。
今年のカリフォルニアプルーンの収穫量は72,575メトリックトン(以下、mt)と予想され、昨年同時期の予想68,000mtに対し約107%の収穫予想となっています。
2023年産のサイズ別収穫量は、2023年10月12日時点で〈表1〉の通りになっており、概ね昨年と同傾向になるものと思われます。
また、米国カリフォルニアプルーン協会によると、今年の作付面積は36,511エーカーで、昨年比で267エーカー減少となっています。〈表2〉
2022年はカリフォルニアのクルミ・アーモンドの相場下落に対し、2020年南米産プルーンの大減産とコロナ禍のプルーン需要伸長を経て需給均衡状態に近づいた為、世界的にプルーンの相場は上昇し、カリフォルニア現地ではプルーンに転作する農家も現れているといわれています。
また、最新の世界需要は200,000~220,000MTと言われており、これは世界のプルーン総供給量〈表3〉に迫る物量となっている為、2023年産以降も供給面にはタイト感がありますが、大きな相場下落は無く推移すると思われます。

マカデミアナッツ市況

画像クリックで拡大します

世界のマカデミアの生産量は2018年以降、増加傾向となっており、2027年には2022年の生産量28万トン(殻付きベース)から78%増の50万トンとなる事が長期的に予想されています。
主要産地の一つであるオーストラリア(生産量第二位)では干ばつや洪水などの気候的要因で収穫量が大きく変動するリスクはあるものの、主要生産国の作付面積が軒並み増加している事に伴い、現在の需要を大幅に上回る供給が見込まれています。
2023年豪州産マカデミアに関しましても当初、2023年2月に発表された一次収穫予想では殻付ベースで60,000mt(前年の52,974mtに対し113%)と大幅な増産が見込まれていた上、長期にわたるコロナ禍や中国経済の回復が遅れている事により需要が伴わず、供給過多の雰囲気となっておりました。
このため現地パッカーは新しい市場の創出、需要の拡大を図るべく、2023年産のオープニング相場は、2022年産に比べ弱含みでのスタートとなりました。
しかしながら、相場の値下がりに伴い農家からの原料買い取り価格も下落した事から、採算が合わずに収穫を放棄する農家や、パッカーよりも高い価格で殻付原料を買い付ける中国人バイヤーに直接販売する農家が増えたため、当初パッカーが見込んでいたよりも大幅に受入数量が減少する事となりました。
このため、豪州産の収穫予想は6月に53,160mt(前年比100.3%)、9月に48,500mt(前年比91.6%)と二度に渡って大幅な下方修正となり、一部のパッカーにおいては、先行して販売していた契約分のノンデリ(引渡し不履行)が発生している状況です。
こうした背景の中、現地相場は7月頃より値上りに転じ、8月に豪州産はほとんどのパッカーが完売状態となり、生産量一位の南アフリカへ需要がシフトしましたが、現在は南アフリカからもオファーの入手が困難な状況となっています。
詳細は弊社営業担当者まで、お問合せいただきます様、よろしくお願い申し上げます。

商品案内

2023年産新物 アルゴドンスペシャルプルーンのご案内

画像クリックで拡大します

カリフォルニア州の自社・契約農園で収穫されたプルーンの中でも特に大粒のものだけを選りすぐり、収穫後すぐに独自の製法でセミドライ(通常の半分程度の乾燥に抑える)加工し、カリフォルニアプルーンの美味しさを最大限引き出した現地一貫生産の商品です。収穫時にしか作る事ができないシーズンパックならではの、ほんのりと黄金色に輝く果肉、芳醇なワインの様な他とは一線を画す味わいをお楽しみください。
2020年、2021年と生産を見送っておりましたが、2022年よりアルゴドンスペシャルプルーンを製造、販売しております。

内 容 量 500g
荷  姿 20袋入り/ケース
保存方法 常温
賞味期限 製造後12ヶ月
原 産 国 アメリカ
区  分 種つき

本品は、数量限定でのご案内になります。

キャンディングマカデミア製品のご案内

画像クリックで拡大します

マカデミアは世界最大の生産国である南アフリカとオーストラリアの二ヶ国で全世界の生産量の40%以上を占めており、その他の主要生産国としては中国、ケニア、グアテマラがあります。
また、スナック、チョコレート用として世界的に需要が高まっている為にベトナムやブラジルでも生産が増加しています。
この度、マカデミアをシロップで煮詰めた後フライし、表面をコーティングしたキャンディングマカデミア製品を新発売いたします。

キャンディングマカデミアスタイル6
荷  姿 10kg×1/ケース
保存方法 冷蔵
賞味期間 6ヶ月

<商品特長>
スタイル6は、マカデミアナッツを大きめにダイスカット(中心サイズは約6-9mm)した商品で、分散性が高くトッピング原料として使用できます。
アイスクリームのトッピング、練り込み材料としても販売が可能です(アイススペック)。
製菓・製パン、デザート向けの原料としてぜひご活用いただけます様、よろしくお願い申し上げます。


キャンディングマカデミアスタイル4
荷  姿 10kg×1/ケース
保存方法 冷蔵
賞味期間 6ヶ月

※受注生産品

スタイル4は、ハーフサイズ(約10-14mm)の商品で、歯ごたえのある食感はチョコレートのセンターやスナックに適しています。
製菓メーカー、リパッカー等へのご案内をお願いいたします。

8種のフルーツ&ナッツ 発売のご案内

画像クリックで拡大します

ナッツ・ドライフルーツをミックスした商品はNB・PBともに多くの商品が発売されております。
弊社では2016年にナッツ・ドライフルーツをミックスした商品を初めて発売いたしました。
当時はナッツ2種類とドライフルーツ3種類の計5種類をミックスした商品でしたが、この度、製造工場に導入されている8種個別計量の包装機を使用し、ナッツ3種類、ドライフルーツ5種類の計8種類をミックスした商品を発売します。

<ミックス内容>
アーモンド、カシューナッツ、クルミ、ゴールデンレーズン、クランベリー、グリーンレーズン、パインアップル、マンゴー
 

1袋に8種の素材をバランスよくミックスすることで、それぞれの味の違いを味わったり、お好きな食べ合わせを見つけたりと、楽しんでお召しあがりいただける商品を目指して設計いたしました。
8種を一度にお楽しみいただける商品は少なく、これまでナッツ、ドライフルーツを召し上がっていた方にもご満足いただける商品です。
是非ご拡売の程、よろしくお願いたします。

8種のフルーツ&ナッツ
荷  姿 85g×12袋×2合/ケース
保存方法 常温
賞味期間 6ヶ月
包装形態 チャック付きスタンド袋
内 容 量 85g
希望小売価格 298円(本体価格)、321円(税込)


<商品特長>
・8種類(ナッツ3種、ドライフルーツ5種)の素材をミックスしました。
・それぞれの素材の味わいや、お好みの食べ合わせで楽しくお召しあがりいただけます。
・外出先でも食べやすい、スリムなスタンド袋を採用しました。チャック付きで持ち歩き、保管にも便利です。

正栄だより

2023ジャパンケーキショー東京 開催される

画像クリックで拡大します

東京都立産業貿易センター浜松町館で10月30日(月)~11月1日(水)の3日間にてジャパンケーキショーが開催され、約14,000名が来場いたしました。(※参考:2022年12,000人、2021年10,000人)
日本最大の洋菓子コンテストで、会場には日本全国から集まった洋菓子作品約1,500点が展示されました。
全国の製菓学校の学生をはじめ、洋菓子店経営者、一部製菓メーカーの皆様が来場し、昨年を上回る賑わいが見られました。
また、昨年に引き続き会場内では洋菓子関係者によるトークショーも実施され、充実感のあるコンテストとなりました。    
弊社はコロナ禍を経て2年連続の出展となりました。
弊社ブースでは製菓材料の商品を中心に栗加工品、漬け込みフルーツ、チョコレート、ナッツ加工品、バター等合計49品を展示いたしました。
今年は試食を提供した事もあり、特にマロンペースト類、デコールマロン、ドライフルーツファインカット、クリームチーズが好評を得ました。
また、ブースデザインについても2024年正栄展示会テーマカラーを用いた事で、華やかな印象となり、来場者様からお褒めの言葉を頂戴しました。
ご来場を賜りまして誠にありがとうございました。

SHOEI RECIPE 正栄レシピ

弊社製品をふんだんに使用したレシピをご紹介いたします。

画像クリックで拡大します

■チョコレートとオレンジのムース

濃厚なチョコレートムースに爽やかなオレンジクリームとオレンジのジュレを合わせました。

<材料>
〈グラサージュショコラ〉
A 生クリーム 90g
A 水 109g
A グラニュー糖 125g
A ココアパウダー 38g
ナパージュリュクスター 100g

〈オレンジクリーム〉
オレンジジュース 120g
グラニュー糖 67g
全卵 93g
ゼラチン 2.3g
NZ無塩バター(フォンテラ) 123g
洋酒(コアントロー) 10g

〈オレンジジュレ〉
B オレンジジュース 50g
B 糖漬けオレンジピールBx68 100g
B ナパージュリュクスター 100g

〈チョコレートムース〉
牛乳 153g
卵黄 64g
グラニュー糖 14g
ゼラチン 10.2g
チョコレート 153g
生クリーム 435g

チョコレートスポンジ 2枚

〈グラサージュショコラ〉
Aを鍋に合わせ、100℃まで加熱。
ナパージュリュクスターを加えて溶けきるまで加熱し、裏漉し。

〈オレンジクリーム〉
①グラニュー糖と全卵を混ぜ、沸騰したオレンジジュースを加え、80℃まで加熱する。
②ふやかしたゼラチンを溶かし、裏漉ししたら粗熱を取る。柔らかくしたバターを加えて乳化。洋酒を加え、型に流し冷凍。

〈オレンジジュレ〉
材料をすべて合わせ加熱し、ナパージュリュクスターが溶けたら、オレンジクリームの上に流し込み冷凍。

〈チョコレートムース〉
①卵黄とグラニュー糖を白っぽくなるまですり混ぜ、沸騰した牛乳と合わせ80℃まで加熱。
②ふやかしたゼラチンを加え、裏漉してから溶かしたチョコレートと合わせる。粗熱を取り、泡立てた生クリームと合わせる。

〈組み立て〉
①セルクルにチョコレートムースを半分流し込み、オレンジのクリームとジュレを入れ、セルクルの9分目までムースを流し、チョコレートスポンジをかぶせて冷凍。
②温めたグラサージュショコラにハンドブレンダーをかけ、滑らかにしてから冷凍したムースにかける。


■オレンジ薫るパネトーネ

クリスマスシーズンに食べられるイタリアの伝統菓子をアレンジしました。

<材料>
〈パネトーネ生地〉  (%)

強力粉 15              
インスタントドライイースト(金) 0.3
ヨーグルト 10
白ワイン 5 


フレチャード発酵バター  15
卵黄 13
強力粉 65
脱脂粉乳 5
三温糖 13
ハチミツ 2
水 15
ヨーグルト 10


強力粉 15 
砂糖 10
全卵 16
塩 0.7
水 15
糖漬けオレンジピールBx68 50

〈仕上げ〉
ザラメ糖 適量

① 混捏 ①を捏ねて27℃で3時間。3時間後①に②を加え捏ねる。 27℃で15時間以上 。15時間後③を加え捏ねる 27℃で30分発酵
② 分割 30g  
成型 ミニパネトーネ型入れ
  ホイロ 28℃ 75%3時間  十字にカットし、広げてバターを絞る。 
③ 焼成 ザラメ糖をふって焼く。 
     200℃ 15分

一覧へ戻る
Page top