SHOEI NEWS2024年 5-6月号 Vol.291

CONTENTS

創業120周年記念展示会開催

創業120周年記念展⽰会 開催いたしました

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正栄食品工業株式会社は今年11月3日に創業120周年を迎えます。
節目となるこの年に 4月23日(火)、24日(水)の2日間、創業120周年記念展示会を東京ドームシティプリズムホールにて7年ぶりに開催いたしました。

海外協賛メーカー28社、国内協賛メーカー36社、協会5団体に出展頂き約3800名ものお客様がご来場され大盛況を博しました。

展示会開催にご協力頂きました関係各社様、ご来場いただきました皆様には心より感謝申し上げます。
今後とも弊社製品をご愛顧頂きますよう宜しくお願い申し上げます。

商況案内

プルーン作柄状況及び市況

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 2023年産カリフォルニアプルーンの収穫量は、DFA(Dried Fruits Association of California)による4/4時点の調査結果で79,880MTとなり、昨年の収穫前予想の70,000MTに対し114.1%と、2018年来の最高収穫量となっております。

 一方で、5/8~5/10開催のINC(International Nuts and dried fruit Council)で発表された最新の2024年産収穫量予想は、カリフォルニア産65,000MT(前年比92.9%)、チリ産55,000MT(前年比80.9%)、アルゼンチン産25,000MT(前年比75.8%)で、フランスを除き、主要国は軒並み減産の予想となっています。チリ産は低糖度の傾向があり、例年より2週間ほど収穫開始が遅れた地域もあったため、収穫量予想にも影響を与えていると考えられ、カリフォルニア産は、5月時点ではまだ結実が確認され始める段階なため不確定要素が多く、控えめな予想となっているものと考えられます。
 
今季弊社のプルーン農園につきましては、昨年よりも2週間ほど早い、3/11頃より開花が確認されました。開花の時期はカリフォルニア全土にわたり理想的な気候であったと報告されており、高品質なクロップになることが期待されています。

 世界全体のプルーン需要は堅調であり、2024年産の期末在庫予想は72,000MT(前年比90.6%)とされていることから、現在の相場を維持することが見込まれます。今後の収穫予想につきましては、今後の気候や各農家へのヒアリングを基に公開されますので、情報が入り次第、改めて最新情報をご報告させていただきます。

カリフォルニアアーモンド市況

第一次収穫予想及び4月ポジションレポート

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 現地時間5月10日にNASS(米国農業統計局)より2024年産カリフォルニアアーモンドの第一次収穫予想が発表されました。同レポートによりますと、2024年産の収穫量は30億ポンドと、2023年産の収穫量24億70百万ポンド(7月末見込み)を21%上回る予想となりました。尚、ベアリングエーカー(収穫可能面積)は、2023年産と同様1,380,000エーカーを基準としています。
今年の開花は平年通り2月中旬から始まり、序盤は雨や雹をもたらす暴風雨を受けた地域も一部ありましたが、2月下旬から3月上旬にかけては、穏やかな気温と天候に恵まれた為、ミツバチの受粉活動は活発となり、全体を通して順調に開花を終えました。こうした背景により平均単収は昨年の1,790ポンド/エーカーを上回る2,170ポンド/エーカーと予想されております。

 尚、第一次収穫予想は生産者に対する電話での聞き取り調査を基に算出しており、今年の調査は4月19日から5月5日にかけて500軒の農家を対象に実施されています。農園での立ち入り調査によって算出される最終収穫予想は、現地時間の7月10日に発表される予定です。

 市場の動向ですが、上述の通り今年は開花期の天候に恵まれ、4月15日には米国大手トレーダーであるテラノバ社が独自調査による収穫予想を29億70百万ポンドと発表していたことから先安観が強まり、相場は軟調基調となっておりました。また、5月6日に米国ワンダフル社も29億40百万ポンドと独自予想を発表していた中で、今回のNASSによる公式予想30億ポンドに対して市場で大きな反応は見られませんが、2024年産に対する楽観的な見方は更に強まりつつあります。

 一方で足元の2023年産については状況が異なります。5月14日にカリフォルニアアーモンド協会が発表した4月末締めのアーモンドポジションレポートでは、4月末時点での収穫量実績は24億39百万ポンドに留まっており(前年比95.6%)、このままではNASSの年度末着地予想(24億70百万ポンド)には到達しない見込みです。これに対し、4月単月の出荷量は前年比122.4%と伸長したことから累計出荷量を前年比104.2%まで押し上げ、加えて、開花期以降の軟調相場により4月単月の成約数は前年比190%と需要は旺盛であることから、2023年産のフリー在庫は益々タイトとなっています。農家の運営コスト上昇により農薬の適切な散布が行き届かず、虫害の発生率が高い(例年2%に対し、2023年産は4%近辺)ことから、特に日本向けの高品質アーモンドは端境期までの追加手当てが難しく、値下がりは期待できない状況です。

2023年産USクルミ市況

4月末出荷レポート

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 現地時間の5月7日に発表されたカリフォルニアクルミ協会の出荷レポートによりますと、2023年産のハンドラーへの受入れ数量は、1月以降の上乗せは無く823,549ショートトン(前年比110.1%)のままで、2022年産からの繰入在庫を含めた総供給量は964,354ショートトン(前年比108.9%)と過去最大となっております。

 4月単月の出荷量は殻付が21,637千ポンド(前年比162.2%)、剥実が55,271千ポンド(同124.9%)とそれぞれ前年を大きく上回る出荷となっております。4月末までの累計出荷量についても、殻付が300,994千ポンド(前年比138.9%)、剥実が435,038千ポンド(120.2%)と好調に推移しております。

 殻付の主要出荷先の4月末までの累計出荷量は、イタリア(前年比172%)、トルコ(前年比155%)、インド(前年比259%)が前年を大きく上回る結果となっております。昨年は熱波により品質に懸念のあった米国産を避ける動きがありましたが、今期は品質が良く価格メリットもあった米国産からの購入へシフトしたことで、昨年から大きく伸長しております。剥実についても、軟調相場の影響で、米国内の出荷が伸長(前年比118%)、2022年産の在庫消化に時間を要したEU圏の出荷先においても、適性在庫に戻ったことでドイツ(前年比138%)、スペイン(同128%)への出荷が復調しております。

出荷が好調に推移していることに加え、2024年産のチリ産クルミが減産の見込みで、クリスマス需要の供給がタイトになることを懸念し、EUのバイヤーは米国産の購入を積極的に進めております。その為、2023年産USクルミにおいては、一部現地パッカーでは完売しているところも出て来ており、現地側は強気な姿勢を見せ始め、直近の現地相場は、徐々に値上がりしております。
 
 2023年産は主要品種であるチャンドラー種が過去最大の収量となり、結実の状況もダブル(一房に2粒の結実)、トリプル(一房に3粒の結実)が多くみられた一方で、2024年産は、主にシングル(一房に1粒の結実)とダブルで、トリプルはほとんど見られない状況です。結実の状況より、2024年産は減産が予想される為、今後、現地側は強気な姿勢を継続し、相場は堅調に推移していくものと考えられます。

国内乳製品市況

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 農林水産省によりますと3月の生乳生産量は全国で前年比101.5%となり前年比で増加する結果になりました。地域別で見ると、北海道では前年比約103.5%と前年を大きく上回り、都府県では前年比99.0%と僅かに前年割れするかたちとなりました。

 3月末の推定在庫量はバターで約24,400トン(前年比84.7%)、脱脂粉乳で約47,700トン(前年比74.1%)となっております。また3月のバター製造量は7,763トン(前年比112.0%)、脱脂粉乳製造量は16,165トン(前年比111.1%)と何れも前年を上回り増産となりました。3月は北海道での3%を超える生乳生産量の増加や学校給食が休みの春休み期間によって、生乳がバターと脱脂粉乳に回り両製品の製造量が一時的に増加しました。ただし依然としてバターは供給制限が続いており供給は需要を満たすほどには回復はしていません。

 農林水産省が公表する大口需要者価格はバター \1,496/kg(税抜、前年比117.8%)、全脂粉乳 \984/kg(同110.6%)脱脂粉乳\726/kg(同111.5%)でした。12月より乳脂肪向け乳価が¥6/kg値上げとなり、2月のバター大口需要者価格は値上げ前の11月価格(¥1,409/kg)から¥66/kg高値の¥1,475/kgに留まっていましたが、3月は11月と比較し¥87/kg値上がりとなりました。
直近のALIC入札の結果は以下の通りになります。

 5月16日の入札では、一時的に円高になったことにより輸入価格は下落したものの、代わりに平均マークアップが上昇するかたちとなりました。入札数量に対して依然として旺盛な需要が読み取れる結果となりました。
 
 また、現在開示されているバターの入札予定は以下です。
 2024年6月13日 SBS入札により1,000mt 引渡期限:2024年12月27日


海外乳製品市況

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 世界的な生乳生産量の減少トレンドが続く中、オセアニアではラクトースを除き全ての乳製品相場は上昇し、欧州では乳脂肪とチーズが上昇する一方で、粉乳関係はほぼ横這いという結果になりました。主要国の生乳生産量は、2024年2月欧州では前年同月比0.3%とほぼ横這いに推移しました。2024年度のEU内の乳牛頭数が減る予想がある一方で、生乳生産量としては前年比0.4%増を予想しています。米国での2024年3月の生乳生産量は前年同月比▲1.0%と引き続き前年割れとなっています。過去数か月の減少傾向に加え、米国内での鳥インフルエンザの乳牛への感染による生乳生産量の悪化が懸念されています。今のところ影響は軽微で、それほど米国全体の生乳生産量に影響はないと見られています。NZでの3月の生乳生産量は前年同月比▲3.5%でした。投入物コストの高止まりや、エルニーニョに端を発した乾燥が一因とのことです。ただ酪農従事者の給与の上昇が2022年以降13%程度見られることから、今後の生産意慾の上昇に寄与する可能性があります。

 製品別にみた場合、NZバターはFOB US$6,590/mt近辺と先月とほぼ横這いの推移となりました。先月まで値上がりが続いてきたものの、乾乳期明けの生乳生産量の増加期待で9月以降の船積み分から値下がり傾向になっています。一方欧州産バターはFOB US$6,360/mt付近と、前月から約3%上昇しました。生乳生産のピークシーズンではありますが、家庭用、業務用ともに欧州域内外からの需要が堅調で、乳脂肪の在庫が薄いことから値上がりにつながったようです。全脂粉乳と脱脂粉乳は、引き続き市場全体で大きな動きはなく概ね横這い傾向が続いており、中国の全粉乳の買いが静かなため今後もしばらくは大きな変動はない見込みです。NZ産全脂粉乳はFOB US$3,350/mt近辺、NZ脱脂粉乳はFOB US$2,550/mt近辺、欧州産全脂粉乳はFOB US$3,910/mt近辺、欧州産脱脂粉乳はFOB US$2,530/mt近辺となっております。

 オセアニアの相場は、乳脂肪は歴史的な高値相場から目先の必要分の購入のみに需要は限定される見込みです。また乾乳期明けの供給量増加を意識し始め、先積みの値下がり傾向が見られ始めました。粉乳は世界的に落ち着いた相場が続いており、中長期的には中国の需要の増加による相場上昇も予想されますが、それまでしばらくは落ち着いた相場が続く見込みです。米国の鳥インフルエンザの影響が未知数であり、人への感染も確認されていることから、相場動向同様注視が必要と思料致します。

大東カカオ株式会社より カカオ豆市況

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1.カカオ豆需給見通し
 2月29日のICCOの発表では23/24cropの供給量は、ガーナが580千トン(前年比▲74千トン)、コートジボワールが1,800千トン(前年比▲441千トン)、その他産地が2,069千トン(前年比▲32千トン)、合計で4,449千トン(前年比▲547千トン)となりました。磨砕量については、4,779千トン(前年比▲241千トン)となり、需給のバランスは▲374千トンのデフィシットとなりました。
主な減産理由としましては、下記のとおりとなります。

【天候要因】
 ガーナ・コートジボワールでは、23年4月-6月に例年よりも多い降水量によりカカオの花が落ち、収穫量が減少しています。

【財政要因】
 ガーナ政府の財政難により、豆の代金が支払われないことにより、隣国への密輸及び農家が収穫を停止する等の問題が発生しているとの情報を受けております。

【病害(CSSV)】
 西アフリカではCSSV(スウォーレン・シュートウィルス病)の被害が拡がっており、ガーナのカカオ農園137万ヘクタール中、50万ヘクタール(全体の30%)がウィルスに侵されている模様です。これが単収の減少に繋がり、大減産の主因となっています。CSSVは感染してもしばらくはポッドをつける為、農民がカカオ樹を切り倒す事を躊躇している間に感染が拡大しています。更に、欧州での森林保護の環境規制が強化され、農地の拡大が困難になっている事も減産に繋がっています。新たなカカオ樹の植え替えには、感染した樹を切り倒し土壌から完全に取り除き、CSSVの感染を防ぐために耐性のある植物を植える必要があり、農地の再生は容易ではないと思われます。また、従来はウィルスに侵された土地を放棄し伐採された土地に移行することで農地を拡大していましたが、近年の森林保護等の環境規制の強化により、農地の拡大が困難になっています。

【その他】
 ガーナでは、中国による金の違法採掘により農地が全体の2%程度(3万ヘクタール)減少しています。尚、違法採掘がおこなわれた土地は化学物質が使用されている為、土壌改良が必要であり、再生には5年以上要するとの話もあります。
このように、ガーナ産カカオ豆原料が逼迫している為、今後はガーナ産原料以外でのブレンドで製造が必要不可欠になってくる状況となっております。


2.価格推移
 2月中旬には£4,600/t台にて推移していたロンドンカカオ相場(第二限月)は、上記要因などを背景に4月18日には£9,418/tと歴史的な高値にまで上昇しています。尚、短期間で生産量が回復することは考え難く、一時的な調整による下落の可能性はありますが、今後もカカオ相場は堅調に推移すると思われます。 

正栄だより

SHOEI RECIPE 正栄レシピ

◆SHOEI創業120周年記念展示会 ベーカリーセミナーにてご紹介致しました◆

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【児玉シェフレシピ】

モイストレーズンとオレンジのパネトーネ         

材料(%)
<かえり種>
中力粉            20
牛乳             10
ルバンリキッド        8

<仕上げ種>
中力粉            2
牛乳             10
フォンテラグラスフェッド  
無塩バター          5 
かえり種全量

<本捏>
最強力粉           60
グラニュー糖         25                   
卵黄             30
全卵             20
ハチミツ           10
塩              1.8
牛乳             12
生イースト          1
バニラペースト        0.2     
フォンテラグラスフェッド
無塩バター          40
糖漬けオレンジピールBx68   20
モイストレーズン       20


【谷口シェフレシピ】

パン・オ・フリュイ

材料(%)         
中力粉            80
強力粉            10
ライ麦粉           10
インスタントイースト赤     0.6
塩               2
吸水             70
バシナージ          10

<フィリング>
生地             1kg
シナモンパウダー       3g
フォンテラグラスフェッド
無塩バター         120g
ダイスドフイッグ      120g
ダイスドプルーン      120g
ミックスフルーツ      120g
ドライアップルキューブ   120g
ラムレーズン        120g
ダークスウィートチェリー  120g
セリアルミックス      120g
ローストヘーゼルナッツ   120g

※プレーン生地250gで包む。

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