SHOEI NEWS2024年 9月号 Vol.294
CONTENTS
商況案内
USクルミ 市況
━ 7月末出荷レポート ━
現地時間の8月8日に発表されたカリフォルニアクルミ協会の出荷レポートによりますと、7月単月の出荷量は殻付が7,844千ポンド(前年比105%)、剥実が37,034千ポンド(同107.6%)とそれぞれ前年を上回る出荷となっております。7月末までの累計出荷量についても、殻付が325,013千ポンド(前年比133.8%)、剥実が561,304千ポンド(114.5%)と好調に推移しております。
2023年産のUSクルミは、過去最大の収穫量(823,549ショートトン(前年比110%))により軟調相場となったことに加え、品質も良かったことから、殻付・剥実共に主要出荷先への出荷が大幅に増加しています。7月末までの累計出荷量は、殻付で、イタリア(前年比174%)、スペイ(同146%)、トルコ(同143%)、インド(同250%)とEU圏、中東・アジアへの出荷が好調で、剥実では、EU圏(ドイツ(前年比128%)、スペイン(同151%)、オランダ(同135%)、UK(同157%))への出荷が大きく伸長しております。
2023年産USクルミは、品質面・価格面で優位性があったことから出荷は好調を維持し、更にはチリ産の減産により米国産での手当てが進んだことから過去最大の供給量にも拘らず、徐々に値上がりし、現時点でほぼ完売の状況となっております。
2024年産USクルミの結実状況は、大豊作であった昨年のようなトリプル(一房に3粒の結実)はほとんど見られず、木の疲弊もあり主にシングル(一房に1粒の結実)とダブル(一房に2粒の結実)となっていることから減産の見込みとなっており、690,000-730,000ショートトン程度(前年比84-89%)になるのではないかと予想されております。更には、7月上旬に10日間にわたり熱波に見舞われたことで品質面への懸念も出てきていることから、現地パッカーは先物でのオファー価格の提示に慎重になっており、限定的に提示される価格は、前年から大幅に値上がりしています。2024年産の最終予想数量は現地9月4日に発表される予定で、発表後にオファーの提示が活発化し始めるものと思われます。
ベトナムマンゴー 市況
ベトナム国内におけるマンゴーの主要生産地は、ベトナムの南部に位置するティエンジャン省やドンタップ省などで、キャウ種のシーズンは年に2 回(2月・3月と10月・11月)となっております。収穫された原料は、工場内で追熟した後、缶詰や冷凍などに加工されます。ベトナムで収穫・加工されたマンゴーは中国や日本、韓国などに輸出されており、中国が最大の輸出先となっております。
2024年の2月・3月収穫の原料に関しては、多雨や干ばつによる被害は少ない状況でした。一方、南米の主要生産地ペルーなどにおいて不作だったことから、ベトナム産への需要が増えており、価格に影響を与えました。次回の収穫は10月頃から始まり、最短で年末から年始にかけて日本へ入船する予定です。
弊社取り扱いのマンゴー缶詰は、ベトナムで収穫されたキャウ種という品種を使用しております。キャウ種は甘みが強く、細かい繊維がたくさんあり果肉がしっかりとしていて崩れにくい特徴がございます。ご興味がございましたら弊社営業担当まで是非お問合せください。
~弊社取扱いベトナム産マンゴー缶詰ラインナップ~
・マンゴーダイス 1号缶×6
・マンゴースライス 4号缶×24
南アフリカ オレンジ市況&現地レポート
南アフリカでは、収穫シーズンを迎えたオレンジをはじめとして、日本の代表的な温州みかんに近いマンダリンオレンジ、グレープフルーツ(ルビー、マーシュ)など各種柑橘類が栽培され、グレープフルーツは、日本のスーパーでも南アフリカ産をよく見かけることがあります。
今年は、天候不順も概ねなく降水量も十分だったことで、収穫状況は問題ないとのことでした。果樹園では、病害や虫の発生原因となる落果や腐敗果を列ごとに設置した袋に集めることで清潔が保たれています。
弊社の柑橘セグメント缶詰サプライヤーであるOnderberg社は、果実の薄皮除去の加工工程を、一般的なアルカリ処理ではなくナイフカットによる手作業で行います。これにより缶詰に加工した後も果実本来の風味がより残っているのが特徴です。弊社ではバレンシアオレンジセグメント1号缶のほかに、マーシュ(ホワイト)グレープフルーツセグメント1号缶の取り扱いがございます。
世界のオレンジ生産量(2023/24年度)は、昨年比1%増の4,740万トンと推定されております。世界最大の生産国であるブラジルは、干ばつや病害(カンキツグリーニング病※)の影響、EUは天候不順の影響をそれぞれ受け減産となりましたが、エジプト、米国、トルコでの生産量増加分によって、全体では微増となります。
一方、世界のオレンジ果汁(ブリックス値65換算)の製造量(2023/24年度)は、150万トン(昨年比3%減)と予想され、中でも世界の生産量の多くを占めるブラジルでは、前途の通り昨年比9%減の110万トンと予想されています。オレンジ果汁の価格は引き続き上昇し、2024年5月には史上最高値を更新しました。
弊社取扱いのオレンジセグメント缶詰の生産国である南アフリカにおいても、オレンジ果汁向けの供給が昨年対比50%以上増見込みと急激に高まっています。その結果、オレンジセグメント缶詰向けの原料不足を招きオファー価格は昨年から上昇しています。
※カンキツグリーニング病とは
一部の枝の葉に亜鉛欠乏症に似た退縁が生じ、のちに葉全体が黄化する症状が現れる。やがて他の枝も発病し進行すると落葉、落果、枝枯れ等が生じる。最終的には、植物全体が衰弱し、枯死することが多い。キジラミ類によって媒介される細菌によって感染する。
出典:『病害虫情報』132号-② (2024年) 植物防疫所
国内乳製品 市況
農林水産省によりますと6月の生乳生産量は全国で前年比99.5%となり前年比で減少する結果になりました。
地域別で見ると、北海道では前年比約99.0%と前年割れを記録し、都府県では前年比100.4%と僅かに前年を上回りました。
6月末の推定在庫量はバターで約28,000トン(前年比93.6%)、脱脂粉乳で約54,100トン(前年比78.3%)となっております。また6月のバター製造量は5,294トン(前年比93.2%)、脱脂粉乳製造量は11,712トン(前年比96.0%)
と何れも前年を下回り減産となりました。6月北海道は昨年の酷暑の影響で受胎が遅れたことによる分娩時期のずれや、暑熱により搾乳量が減少し生乳生産量が昨年比で減少となりました。
農林水 産省が公表する大 口 需要者価格はバター ¥1,500/kg ( 税抜、前年比 107.3% )、全脂粉乳 ¥983/kg
(同99.9%)脱脂粉乳¥725/kg(同100.8%)でした。
直近のALIC入札の結果は添付表の通りになります。7月のバター入札の追加により期近の需要は満たせたものの、依然として潜在的な需要は堅調で7月最後の入札では再び入札数量以上の応札数量を記録しました。
また、現在開示されているバターの入札予定は以下です。
2024年8月22日 SBS入札により800mt 引渡期限:2025年2月2日
2024年9月12日 SBS入札により800mt 引渡期限:2025年3月31日
海外乳製品 市況
オセアニアでの生乳生産のピークシーズンが始まり、8月初回の乳製品オークションであるGDTでは全体として僅かに上昇する結果となるも、上げ幅は限定的で、上昇商品も一部の商品に偏るかたちとなり一貫性に欠ける相場となりました。主要国の生乳生産量は、5月欧州では前年同月比0.6%と僅かに増加しました。乳牛1頭あたりの乳量は増加していますが、乳牛頭数の減少によってほぼ相殺されています。米国での5月の生乳生産量は前年同月比▲1.0%と引き続き前年割れとなっています。懸念されていた鳥インフルエンザの乳牛への影響が表れており、それに加え6月には主要産地の気温と湿度が平均を上回り生乳生産量はしばらく低調に推移すると思われます。NZでの6月の生乳生産量は前年同月比▲0.9%でしたが、同月は例年NZの全体に占める生乳生産量の1%程度のため、それほど考慮するに値しません。国内の乳牛頭数の減少や、エルニーニョの影響、また飼料や肥料等のコストの上昇や高金利による債務返済コストの高騰で酪農家の採算は圧迫しているため、今後の生乳生産量推移には注視が必要と思われます。
製品別にみた場合、NZバターはFOB US$6,490/mt近辺と先月とほぼ横這いでの推移となりました。乳脂肪原料への需要は強いものの生乳のピークシーズンに入り、生乳生産量が増加していることによりバターの供給が増えていることが背景となります。一方欧州産バターはFOB US$7,500/mt付近と、前月から約4%上昇しました。生乳生産のピークである春ごろにバター需要が強かった影響で在庫の積み増しができておらず、加えてバターから生クリームへの製造シフトが高値を誘発しているようです。
全脂粉乳と脱脂粉乳は、中国からの引き合いが依然として少なく引き続き低調な相場となっています。中国では生乳生産量の増加により同国産の全粉乳を一部輸出しているという情報もあり、海外粉乳原料を再び活発に購入するのかどうか疑問符が残るところです。NZ産全脂粉乳はFOB US$3,140/mt近辺、NZ脱脂粉乳はFOB US$2,570/mt近辺、欧州産全脂粉乳はFOB US$4,360/mt近辺、欧州産脱脂粉乳はFOB US$2,600/mt近辺となっております。
オセアニアの相場は、ピークシーズンの開始時期にも関わらず、相場の下落は限定的であり、ピーク時の生乳量次第ではむしろ価格が上昇する可能性すらあります。欧州相場はアイテムによりますが上昇基調で、夏季休暇明けの需要の戻りにより暫く下落トレンドは見込めないものと思われます。世界的な上昇相場の背景としては、生乳生産が好調である地域が豪州と欧州の一部と限られており、且つ2024年後半はNZが減産予想であるためです。今後、年末年始の需要期に向けて特に乳脂肪製品がひっ迫し更なる価格上昇が懸念されています。
アメリカンチェリー 市況
アメリカンチェリーとはアメリカ合衆国で収穫されたチェリーの総称で、甘くて青果でも食される「スウィートチェリー」と酸味が強くジャムやパイなどにして食される「レッドサワーチェリー(タートチェリー)」があります。収穫時期は例年 6月~8月頃になります。
主要産地はワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州、ミシガン州の4州で、スイートチェリーはワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州で約8割、サワーチェリーはミシガン州で約7割が生産されています。
チェリーはデリケートなフルーツで、天候の影響を受けやすく、収穫時期に雨が降ると果実が割れてしまうため、特定の狭い地域で壊滅的な被害を受けることもあります。
◆ダークスウィートチェリー
スウィートチェリーの中でも、果皮が濃赤色のビング種はダークスウィートチェリーとも呼ばれる、代表的なアメリカン
チェリーの1つです。
主要産地のアメリカ北西部は1月に大寒波に見舞われ、一部の地域では樹木に影響を及ぼしましたが、春から夏にかけて
天候が良好だったため、収穫状況は順調で品質も問題なく、2023年に続き平年並みの収穫量となる見込みです。
・新商品(ダークスウィートチェリー#300 ヘビー)
商品の安定供給を目的として、ダークスウィートチェリー#300について「オレゴンヒルズ」ブランドの新商品を発売致します。
従来品はシロップ規格が「エキストラヘビー(糖度22%以上)」ですが、新商品は「ヘビー(糖度18~23%)」に変更となります。
・「OREGON HILLS」
「OREGON HILLS」ダークスウィートチェリーの産地はオレゴン州北部、ワシントン州との境界であるコロンビアリバー沿いです。
コロンビアリバーとMt.Hoodからの豊富な水資源と大きな寒暖差、日当たりの良い傾斜が多いこの 地域は、チェリーの栽培に大変適しており、
100年以上前から栽培が続けられております。OREGON HILLSダークスウィートチェリーは青果用にも流通される品質の高いこの地域で栽培された
チェリーを主に使用し製造されております。
◆レッドサワーチェリー
レッドサワーチェリー(タートチェリー)最大の産地であるミシガン州では、一部の地域で収穫目前の7月に激しい嵐による被害を受けましたが、
それ以外の地域の収穫状況は良好で、アメリカ全体のサワーチェリーの収穫量は24,405万ポンドと予測の24,725万ポンドを若干下回ったものの、
前年に対しては約19%のプラスとなりました。
尚、品質に関しては嵐、大雨、害虫や腐敗などの影響があり、IQF用としては過去数十年間と比較して歩留まりが悪く、IQFのオファー価格は前年に
比べて値上がり傾向となりました。
~弊社取扱いチェリー製品ラインナップ~
・ダークスウィートチェリー(ヘビー)1号缶×6 、#300号缶×24
・冷凍レッドサワーチェリーIQF 18.14kg 、500g袋×20
・冷凍レッドサワーチェリー5+1 13.6kg
商品案内
ドライトロピカルフルーツのご案内
人気のトロピカルフルーツの定番、パイナップル、パパイヤ、マンゴーの旨味を凝縮したドライフルーツでのご案内です。3品とも甘味と酸味のバランスが良くパンや焼き菓子の他ヨーグルト、シリアルと合わせても美味しくいただけます。
弊社ではこの度、既存の5-7mmに加え8-10mmと大粒で存在感のあるサイズも新たに発売いたしました。大粒サイズはドライフルーツ小袋包装にも最適です。その他スライスカット(パイン、マンゴー)、ミックス商品もございますので、各種サンプルのご依頼は弊社営業担当までお問合せください。
正栄だより
2024ジャパン・ケーキショー東京 出展のご案内
10月15日(火)~10月17日(木)の3日間、東京都立産業貿易センター台東館にて開催される
2024 ジャパン・ケーキショー東京に出展いたします。弊社は協賛メーカーとして製菓材料各種、
ナッツ製品、新規取り扱いのフルーツピューレ等をご案内いたします。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
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2024 ジャパン・ケーキショー 東京
主催: 一般社団法人日本洋菓子協会連合会
公益社団法人東京都洋菓子協会
日時: 10月15日(火)~10月17日(木)
10時~16時(ただし最終日は15時まで)
会場: 東京都立産業貿易センター台東館
※昨年とは会場が異なります。
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TRENDS NEWS
都内で行列のできる人気のベーカリーや話題の新スポットで見つけたパン&スイーツをご紹介します。
◆ナッツやドライフルーツをたっぷり使用した高加水パンに注目
ナッツやドライフルーツの美味しさが味わえるハード系のパン。特に最近話題なのが、水分をたっぷりと含ませた高加水生地のパン。パン生地に配合する水分は通常対粉65%前後と言われているところ、加水率が対粉100%以上というものもあるほどの高加水パンが人気なのです。水分の多いもっちりしっとりとした生地は練り込む具材となじみが良く、ナッツやフルーツと一体感のある味わいです。もちもちの食感やみずみずしく歯切れの良い生地は日本人に好まれる食感なのでは?
~辛くて甘い 新感覚カレーパン~
スパイスを練り込んだ辛味のある生地にフルーツやナッツの甘みが調和しているカレーパン。
~フルーツがまるでフレッシュジューシーなパン~
いちご果汁入りの真っ赤な生地。はじけるほど水分を含んだドライフルーツはフレッシュと錯覚するほど。
~味わい深いみたらし風味~
みたらしが練り込まれた生地は和風味でお餅のよう。生地よりも多いと感じるほどたっぷりのナッツ入り。
◆ハイブリッドなクロワッサン
今注目度の高いクロワッサンを他のメニューと掛け合わせた新たなパンをご紹介いたします。
~クロワッサン×ブリオッシュ~
ブリオッシュ生地が層になっている。表面にはグレーズ。
~クロワッサン×バゲット~
食感の異なる二種類の生地を練り込んでいる。
~クロワッサン×ベーグル~
ふわふわのパン生地にたっぷりのバターを折り込んでいる。
~クロワッサン×メレンゲ~
厚みのあるザクザクホロホロのメレンゲに覆われたクロワッサンラスク。
◆米粉スイーツが増えています
グルテンフリーの専門店が話題です。米粉ならではの食感や風味を生かしたメニューに注目です。
~しらすのフィナンシェ~
しっとり米粉生地にしらす入り。アーモンドがアクセント。
~柚子香るマドレーヌ~
ふんわりと香る柚子にパッションフルーツの酸味が合う。
~有機玄米粉のフィナンシェ~
玄米粉とヘーゼルナッツの香ばしい生地に甘く炊いたアプリコットがゴロリと入っている。