SHOEI NEWS2024年 12月号 Vol.297

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商況案内

2024年産カリフォルニアプルーン市況&収穫レポート

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 弊社プルーン農園の収穫は例年通りの8月21日(水)~8月31日(土)の11日間で終了致しました。当農園のプルーンは、摘果や徹底した農園管理により例年よりも大粒傾向ですが、カリフォルニア州全域で見ると、7月の熱波の影響で果実の成長が阻まれ、現時点では例年並みかやや小粒傾向との情報が入っております。
 カリフォルニアプルーンの最新の2024年産予想収穫量は、5月時点での予測通り65,000メトリックトン(以下、mt)で、豊作であった2023年産82,000mtに対し17,000mt減(▲21%)と見込まれています。これは昨年が例年にない豊作であった反動に加え、熱波の影響で十分に成長できなかったプルーンの落果や不良果が増加したためと考えられます。
 また、11月12日(火)に公開された、International Nut & Dried Fruit Council(INC)のCROP REPORTによると、2024/2025年シーズンの世界の総供給量は昨年比で約10,500mt減少する見込みとされており、世界的に需給バランスは拮抗した状態が続き、一部パッカーは2024年産の値上げを案内しているとの情報もあることから、現地相場も強含みで推移すると予想されます。

トルコ ヘーゼルナッツ市況

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 トルコは世界第一位のヘーゼルナッツ生産国で、生産量は世界全体の6割程度を誇っております。2024年産の収穫は8月上旬から開始され、9月中旬頃に終了しました。収穫量は7月上旬の時点でヘーゼルナッツ輸出組合が811,000トン、トルコ農務省が738,000トンと予想しておりましたが、7月から8月初旬の非常に暑い天候により、小さな粒やしわが寄った粒が黒海西部をはじめとした地域で多く見られており、歩留りが落ち込んでいることから、715,000~750,000トン程度になるものと考えられております。
 一方で他生産国の収穫量減少に伴う価格上昇、及びクリスマスに向けた需要増加等によりトルコ国内外での出荷は好調であり、輸出量は11月上旬時点で前年比120%となっております。これらの要因が重なり収穫量は前年比 より微増のものの、現地相場は高止まりとなっております。

国内乳製品市況

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 農林水産省によりますと9月の生乳生産量は全国で前年比101.0%となり前年比で増加する結果になりました。 地域別では、北海道では前年比約103.5%と前年を上回り、都府県では前年比97.6%と前年を下回りました。9月末の推定在庫量はバターで約26,000トン(前年比100.0%)、脱脂粉乳で約49,100トン(前年比83.6%)となっております。また9月のバター製造量は4,162トン(前年比126.3%)、脱脂粉乳製造量は9,477トン(前年比119.3%)といずれも前年を上回り増産となりました。9月以降子牛が生まれ始めた北海道は、寒冷な気候にも恵まれ2ヶ月 続けて前年を上回りましたが、厳しい残暑が続いた都府県では3ヶ月連続の前年割れとなりました。
 農林水産省が公表する大口需要者価格はバター¥1,501/kg(税抜、前年比106.5%)、全脂粉乳 ¥984/kg(同99.9%)脱脂粉乳¥726/kg(同100.1%)でした。2024年9月にJ-ミルクより発表された2024年度需給予測の用途別処理量の見通しは以下の通りです。

「生乳供給量」は7,276千トン・前年比100.0%、「飲用等向処理量」は3,868千トン・前年比99.2%、「乳製品 向処理量」は3,408千トン・前年比100.9%と見込みました。乳製品向のうち、「チーズ向け」は427千トン・前年比99.7%、「生クリーム等向け」は1,237トン・前年比101.1%、「脱脂粉乳・バター等向け」は、1,744千トン・前年比101.1%と前年を上回る見通しです。

 また直近のalic入札の結果は以下の通りになります。相場の上昇と円安の影響によるコストアップによって、国産バターと価格の乖離が顕著となり、マークアップが減少しました。

海外乳製品市況

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 主要国の生乳生産量について、米国は横這いで推移したものの欧州とNZでは好調で、全体的には増加しています。ただ年前半の不調が響いており、商品によっては多少ひっ迫感がある状況です。

 地域別に詳細を見た場合、米国での9月の生乳生産量は前年同月比+0.07%とほぼ横這いとなりました。一方2024年の年間の生乳生産量は、前年比▲1.7%になると予想されています。これは乳牛の高齢化、悪天候、鳥インフルエンザによる影響によるものです。欧州での8月は前年同月比1.4%と増加しました。一方で、後継者不足や環境規制の強化により、多くの酪農家が廃業を余儀なくされ、今後は生乳生産量の減少が予想されています。NZでの9月の生乳生産量は前年同月比4.1%増となり、2024年6月~2024年9月間の生乳生産量は前年同期比5.6%増となりました。増加の主な要因は、全国的に良好な天候により、牧草の成長が好調であったためです。

 乳製品オークションであるGDTの11月初回イベントでは、ラクトース以外の原料価格で軒並み上昇を見せました。バターは高需要のためにタイト感が続き、全脂粉乳・脱脂粉乳は中国、東南アジア、中東からの買いが入り上昇基調となっています。

 製品別では、NZバターはFAS US$6,990/mt近辺と先月からは+US$580/mtとなり急激な値上がりとなりました。特に期近12月積み分はUS$8,500/mtと1月以降の船積み分と比べ特に大幅な値上がりとなり平均価格を押し上げるかたちとなりました。バター生産は好調ではあるものの、欧州品と比較した際の代替需要の増加や、中国からの買いが入った為の上昇のようです。一方欧州産バターは US$8,500/mt付近と、前月から約10%下落しました。前月同様欧州域内外からの需要が堅調で、値下がりはしたものの直近では再度上昇基調となっています。欧州での生乳生産のピークである春ごろに乳脂肪需要が強く、バター在庫の積み増しができなかった影響により、バターのタイト感が続き、価格に上昇圧力がかかる状況になっています。クリスマス需要が落ち着くまでは下落見込みは少なく、供給の逼迫が続く可能性はあるものの、その後中期的には下落傾向となっています。 

 NZ産全脂粉乳はFAS US$3,550/mt近辺、NZ脱脂粉乳はFAS US$2,750/mt近辺となっております。中国、東南アジア、中東からの買いが入ったことが相場上昇の主要因となります。中国からの需要の再燃は、同国内の生乳生産量の不調や昨今在庫を絞っていたトレーダーが多かったことによる供給のひっ迫が原因です。欧州産全脂粉乳はFAS US$4,660/mt近辺、欧州産脱脂粉乳はFAS US$2,680/mt近辺となっております。欧州の全脂粉乳、脱脂粉乳ともに製造も積極的に行われているわけではありませんが、需要分はカバーされている状態のため下落する結果となりました。

2024年産 韓国栗・中国栗 市況

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― 韓国栗 ―
 2024年産の韓国栗につきましては、収穫前の平年作の予想に対し、7月~9月中旬まで高温が続いたことによる高温障害や降雨も少なかったことが影響し、大幅な減産となる見込みで、不作だった昨年比でも30%以上の減産となった模様です。また減産に加え、イガの中は1粒栗が多いなどの影響もあって大粒傾向となり、3番栗(Sサイズ 以下の小粒が多く取れるサイズ)割合が例年の半分以下となった地域もあって、年々需要が増している小粒原料の確保は特に非常に厳しい年となりました。品質面においても異常気象による高温障害、栗の木の老木化、農家の高齢化や人手不足による管理不足等により、皮剥き歩留まりも低下しています。
 価格面につきましては、減産による(特に小粒原料の)産地農協の手数料アップ、運賃等の諸経費のアップに加え、米ドルに対する為替レートも昨年比で円安傾向にある事から、原料剥き栗の価格は昨年比アップとなりました。また、国内の物流費、光熱費、副材料等の上昇も続いていることから、製品(甘露煮)価格の値上りは避けられない状況です。更に、Sサイズ以下の小粒の製品については、今後供給面でもひっ迫する可能性がありますので、早めの手当てをお勧めいたします。

― 中国栗(丹東)―
 栗甘露煮に使用する原料栗は、大連から300㎞程北にある、遼寧省の丹東という地域で栽培されたものが多く使用されています。丹東地区も他の産業の発展や高齢化により、年々栗の〈拾い手〉や〈剥き子〉が減少傾向にはあるようですが、今後10年以上は現状の収穫量の維持と〈剥き子〉の確保は可能であろうと言われている産地です。
 丹東栗の収穫は、例年9月前半~10月前半の約1ヶ月の間で行われ、早生:和品種(丹沢)、中生:金華、晩生:在来種(板栗)の順で収穫されます。平年作は10~12万トンと言われておりますが、2024年産の作柄につきましては受粉期の6月に雨が多かった為に受粉がうまくいかなかったこと等により、やや不作となった模様です。
 今年の原料皮栗の現地買付価格は昨年比で10~15%程度上がった模様で、値上りは避けられない状況ですが、昨年の収穫が約15万トンと大豊作だった為、現在も市中在庫が比較的多い事や、中国国内の不景気による需要の減少に よって、現地オファー価格は原料栗、製品(甘露煮)共に限定的な上げ幅にとどまる見込みです。

メープルシロップ市況

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 ケベック・メープルシロップ生産者協会(以下QMSP)の2024年7月発表のクロップレポートによると、2024年産メープルシロップはケベック州全体の過去7年間(2017-2023年)の平均収穫量1億5,300万ポンド(約7万t)に対して、2億3,900万ポンド(約10万8千t)と記録的に高い収穫量となりましたが、人件費・梱包材・ロジスティクス などのコスト上昇のため、昨年に続き、2年連続で値上がりとなりました。

商品案内

2024年産新物 アルゴドンスペシャルプルーンのご案内

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 ShoEi Foods (U.S.A.), Inc.がカリフォルニア州で経営する自社農園で収穫されたプルーンの中でも特に大粒のものだけを選りすぐり、収穫後すぐに独自のセミドライ製法(通常の半分程度の乾燥に抑える)で加工し、カリフォルニアプルーンの美味しさを最大限引き出した現地一貫生産の商品です。
 収穫時にしか作る事ができないシーズンパックならではのほんのりと黄金色に輝く果肉、生果本来の甘味と程好い酸味を感じられる味わいをお楽しみください。

◆アルゴドンスペシャルプルーン
内容量 :500g
荷 姿 :20袋入り/ケース
保存方法:常温
賞味期限:製造後12ヶ月
原産国 :アメリカ
区 分 :種つき

※本品は、数量限定でのご案内になります。

さつまいも製品のご案内

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 さつまいもがたくさん出回る時期になりました。2024年は昨年と同程度の収穫量見込みです。梅雨時期までは順調に生育していましたが、夏の酷暑で葉が焼けてしまい10月以降の収穫はやや小さめサイズが見られました。九州地区に発生している基腐れ病も良い情報はなく、加工用原料は変わらず減少傾向です。病気対策や暑さ対策で、新品種の開発・育成に動いている話も聞かれます。
 収穫は主に8~11月に行われますが、弊社は、ペーストなどの加工をおおよそ年をまたいで1~4月に行っています。
その理由は、収穫後のさつまいもを安定した温度や湿度で一定期間保管することで(「熟成」とも呼びます)、甘味が増したり肉質が粘質性や粉質性が安定して、美味しくなるためです。市場の焼き芋がおいしくなるのはこの熟成を経た年明けです。(特に紅はるか)
 弊社では、ねっとり甘い「焼き紅はるかペースト」(九州産もしくは茨城県産)、アイスやドリンク用になめらかな状態の「エキストラファイン」を取り扱っています。また、2025年には新商品「栗かぐや®ペースト」を販売予定です。栗かぐや®は比較的新しい品種で、ほっくりして適度な甘味、そして黄色味がとても鮮やかな点が魅力です。
 店頭では秋以降さつまいもの関連商品が今年は特に数多く目にした印象があります。弊社は、主要原料産地である茨城県でも加工をスタートし生産能力をアップさせる予定です。これにより地の利を生かした加工をすることが可能です。
 また、インドネシア産のさつまいもペーストも取り扱っております。一年中収穫できることから安定供給が可能です。
余談ですが、さつまいもは農水大臣より「フラッグシップ輸出産地」として青果類では最多の全国7産地が認定されました。23年度のさつまいも輸出は29億円を上回り農産品上位となっています。国内のみならず、海外でも日本のさつまいもが評価され、今後ますますの人気と需要見込みがうかがえます。

メープルシロップ・メープルシュガー 新商品のご案内

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メープルトリート社(The Maple Treat Corporative)

1888年創業のカナダ最大の製糖会社(ランティック社)のメープルシロップ事業部門です。
メープルシロップ製品の生産量は世界トップクラスで、メープルシュガーも自社製造しています。

■メープルシロップ 250g(189ml)瓶
 カナダ産のカナディアングレードA、カラークラスはアンバー(リッチテイスト)になります。瓶の表面ラベルにケベック・メープル生産者協会公式レシピ(製菓製パン、料理)を掲載しています。

■メープルシュガー(極粉末、粉末、フレーク)
 メープルシロップを焦がさずに脱水する独自の特許技術により、3.5%以下の水分値を確保しています。原料にはカナディアングレードA、カラークラスはダーク(ロバストテイスト)のメープルシロップを使用しています。

正栄だより

メープルキャロットケーキ(レモン風味)レシピ

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◆材料(5号 2台分)
【キャロットケーキ】
  A 全卵 96g
  A メープルシュガー極粉末 MT 96g
  A 塩 1.6g
    太白ごま油 80g
  B 薄力粉 152g
  B ベーキングパウダー 2.4g
  B シナモンパウダー 0.8g
  B ナツメグパウダー 0.5g
  B オールスパイス 0.8g
  C 人参(皮付きすりおりし) 144g
  C ローストUSクルミLSP 19g
  C カリフォルニアレーズン 19g


【メープルレモンフロスティング】
  サウスケープクリームチーズ 80g
  NZ産食塩不使用グラスフェットバター 40g
  メープルシュガー 極粉末 MT 32g
  Ⅾ つぶっとレモンペースト 28g
  Ⅾ レモン汁 10g


◆作り方 
① Aをミキサーで中速2分混ぜ、太白ごま油を入れる。
② ふるったB、Cを順に合わせていく。
③ 型に150gずつ流し込み、180℃のオーブンで約40分焼成する。

【メープルレモンフロスティング】
① クリームチーズ、バターとメープルシュガーを合わせてしっかり混ぜる。
② Ⅾを合わせる。

【組み立て】
冷やしたキャロットケーキの上にメープルレモンフロスティングをナッぺする。

◆メープルシュガー 極粉末 MT
原材料名:メープルシロップ(楓樹液)
保存方法:冷暗所にて保存
荷  姿:1㎏×10袋、15㎏
賞味期限:3年

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